
近隣の銀河VV114 をNASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影した近赤外画像。アルマ望遠鏡とジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた棒渦巻構造のモンスター銀河J0107aが写っている。(右)J0107a内の星と分子ガスの分布 (C)NASA, ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Huang et al/Handout via REUTERS/File Photo
[ワシントン発/ロイター]銀河は「J0107a」と呼ばれるもので、研究では約111億年前の姿が観測された。当時の宇宙は、現在の約5分の1の年齢だった。
研究チームは、チリのアタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(アルマ望遠鏡)とNASA(米航空宇宙局)のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のデータを用いてJ0107a銀河の研究を進めた。分析の結果、J0107aの質量は星やガスを含めて天の川銀河の10倍以上で、星を生み出すスピードは年間約300倍に達していたことが分かった。ただし構造そのものは天の川銀河よりもコンパクトだったという。
研究成果は5月23日に学術誌『ネイチャー』に掲載された。
「この銀河は、現在の銀河と比べて星生成率が高くガスもたっぷりのモンスター銀河だ」と国立天文台の天文学者で論文の筆頭著者である黄爍(ファン・ショウ)氏は述べた。
静岡大学の天文学者で論文の共著者である斉藤俊貴氏はこの発見に関し「これほど巨大な銀河が、いかにして宇宙の初期に存在できたのかは大きな謎だ」と述べた。

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