Weekly北朝鮮『労働新聞』
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訪朝したロシア文化相と金正恩が芸術公演を観覧、娘も同席(2025年6月29日~7月5日)

執筆者:礒﨑敦仁 2025年7月7日
エリア: アジア
[ロシアのリュビモワ文化相(左)とともに東平壌大劇場に入場する金正恩委員長と娘=2025年6月29日、北朝鮮・平壌](C)AFP=時事
金正恩国務委員長は訪朝したロシアのリュビモワ文化相と会談、娘を伴って芸術公演も観覧した。紙面には連日、7月1日にオープンした元山葛麻海岸観光地区についての記事が掲載されている。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】

 6月30日付は、ロシアのオリガ・リュビモワ文化相が訪朝し、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と会談のうえ、芸術公演をともに観覧したことを報じた。会談が行われたのは朝鮮労働党中央委員会の本部庁舎であるが、美しく整備された図書室のようなスペースは初公開と思われる。

 ロシア側による公演と北朝鮮側の答礼公演の観覧には金正恩の娘も同席した。公演の様子を報じた朝鮮中央テレビは、ロシアへの派兵で犠牲となった北朝鮮兵のものと思われる、北朝鮮国旗で覆われた柩に金正恩が手を添える姿がスクリーンに映し出される様子を報じた。『労働新聞』は、「血で結ばれた戦闘的友誼と真の国際主義的義理は、勝利の歴史とともに永遠であるとの確信をもたらした公演」「両国人民の兄弟的友誼と親善の紐帯を正しく見せることで、貫禄ある芸術団体としての面貌をあますことなく誇示した公演」だったと評価した。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治外交。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、『北朝鮮を読み解く』(時事通信社)、共著・編著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)、『北朝鮮を解剖する』(慶應義塾大学出版会)など。
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